腕の先にある白いものが卵です
成長すると胴の長さが50cmにもなるイカの仲間、
コブシメが館内「コーラルリーフ・ダイビング」ゾーンの水槽で
産卵を始めています。
コブシメは奄美諸島以南の熱帯インド~太平洋のサンゴ礁域に生息する大型のイカの仲間で、沖縄周辺では食用としてもよく知られています。鳥羽水族館では2年ほど前より水槽内で繁殖に成功していますが、今回は展示水槽内のメス5匹が12月中旬より成熟し始め、昨年12月27日より産卵が観察されるようになりました。
メスは生み出した卵を腕の先の辺りにしっかりと持ち、サンゴの隙間に1個ずつ慎重に生み付けていきます。一匹のコブシメが産卵する数はこの水槽内では約300個~500個ほど。既に水槽内のサンゴの隙間には、直径2~2.5cmほどのピンポン球より少し小さい乳白色の卵がたくさん生み付けられています。担当者によると産卵の時間は決まっているわけではないとのことですが、比較的朝の開館直後などに産卵の様子を見かけることが多いそうです。サンゴの周りを腕を丸めるようにしてウロウロしている様子を見かけたら産卵場所を選んでいる仕草です。少し粘ってみると産卵の決定的瞬間が見られるかも知れません。これからしばらくの間、産卵は続くので、御来館の際には是非お見逃し無く。
今後は生み付けられた卵を予備水槽に回収して孵化を待ち、順調に成長すれば約50日後に胴長約1~1.5cmの可愛い赤ちゃんコブシメが誕生します。孵化した後はその一部を展示する予定にしています。