MEI & KIRA STORIES
鳥羽のアイドル「メイとキラ」の物語
メイとキラの誕生秘話、性格、見分け方、イカミミジャンプ、観客との関係、夜の過ごし方など、鳥羽水族館ならではの回答をまとめています。
Q1メイの誕生時の秘話を教えてください
メイのお母さんであるポテトは、メイを産む前に3回の死産を経験しています。飼育係は、失敗の理由をいろいろと考え、妊娠中の体重の増えすぎが原因ではないかと推測しました。
そこで徹底した健康管理により体重増加を抑制し、ついに出産を成功させたのです。
Q2メイとキラの「すごいところ」はどこ?
メイは頭が良く、対応力抜群なところです。一方のキラは、細かなことに動じない大らかさを持っています。
Q3メイとキラ、それぞれの性格や見分け方は?
メイは好奇心旺盛でおてんばですが、神経質で怖がりな面があります。一方で、キラはマイペースでおっとりした性格です。
見分けるポイントは、メイが白っぽい毛並みで鼻に傷があるところ、キラは全体的に濃い目の毛色をしていて、メイに比べるとひげが長いところです。
Q4名物「イカミミジャンプ」はどのラッコでもできるの?
過去、鳥羽水族館で飼育していたすべてのラッコが「イカミミジャンプ」をできたわけではありません。最初にできるようになったのは「タマ」という個体です。続いて、メイができるようになりました。
Q5メイとキラから、私たち(観客)は見えている?
はい、見えています。ラッコのプール側が観客側に比べて明るいので、すべてが見えるわけではありませんが、最前列のお客様の表情でしたらラッコにもしっかりと見えているようです。
Q6閉館後や夜、二頭は何をして過ごしているの?
排せつや短いグルーミングの時間を挟みながら、ほぼ寝ています。
WHY SO CUTE?
可愛すぎる行動の「なぜ?」
手つなぎ、顔をムギュッとするポーズ、脇のポケット、石、グルーミング、眠る場所など、ラッコの行動に関する疑問をまとめています。
Q7なぜ手を繋いで寝るの?
野生では潮の流れで離ればなれにならないように、そして集団になることで危険をいち早く察知するための生存手段だと考えられます。
寂しさや愛情からくる行動なのかどうかは、ラッコのみが知るところです。
Q8顔を「ムギュッ」とするポーズにはどんな意味がある?
可愛い表情ですよね。これは両手で顔周辺の毛づくろい(グルーミング)をしているのだと思います。
Q9実は「ポケット」があるって本当?何を入れているの?
皮フにはとても柔軟性があり、脇のあたりもよく伸びます。ここに石や餌などを挟んで持ち運ぶことから、まるでポケットに入れているように見えるのです。
ポケットとは呼ばれているものの、袋状ではありません。
Q10「お気に入りの石」があるの?
ラッコというと、お腹の上で石を使って餌を割るイメージがありますが、野生にすむすべてのラッコが石を使うわけではありません。
飼育下では、水槽のガラスをいたずらされる心配もあることから、そもそも石を使えない環境にしています。野生ではその都度石を拾っているようです。
Q11なぜあんなに一生懸命グルーミングをするの?
冷たい海で暮らしているのにもかかわらず、皮下脂肪が大変少なく、毛の中の空気の層によって体温を維持しています。その毛を最高の状態に保つために、叩いたり揉んだりと丁寧にグルーミングを行います。
毛が濡れることは、体温低下による命の危機へと直結するのです。
Q12ラッコはどうやって眠る場所を決めている?
飼育下ではたいてい同じような場所で寝ています。それは壁際だったり中央だったりと、個体によって好みが異なります。
理由は定かではありませんが、ラッコ同士の力関係も要因のひとつかもしれません。
BODY & ABILITY
驚きの身体能力と不思議
カワウソとの違い、毛、肉球、体温維持、潜水、食事量など、ラッコの体や能力に関する疑問をまとめています。
Q13ラッコとカワウソ、決定的な違いは何?
どちらもイタチ科で、細長い体に横長な顔の形をしていますが、ラッコはカワウソよりもさらに海棲生活に適応した点が決定的な違いです。
Q14ラッコの毛はどれくらいフワフワ?手触りや匂いは?
触り心地はしっとりさらさらで、乾いているときはもふもふです。特徴的な匂いはありません。
Q15肉球にはどんな感触があるの?
肉球には毛が生えていません。なかなか表現しづらいのですが「張りのあるグローブのような感触」と表記している資料もあります。
ラッコの肉球は水に触れることが多く、濡れているとやわらかいです。この厚い肉球には細かいしわがあり、ものをしっかりキャッチできるようになっています。
Q16冷たい海で体温を保てる「魔法の毛」の仕組みは?
ひとつの毛穴から1本のガードヘアーと、平均約70〜80本のアンダーファーが生えています。
毛が水に触れると濡れたガードヘアーが倒れ、ふかふかのアンダーファーにまで水が浸入するのを防ぎます。哺乳類では最高の毛密度を誇っています。
Q17ラッコはどれくらい深く潜り、どれくらいの速さで泳げる?
水深90mまで潜れると記載している資料もありますが、ふつうは20mくらいまで潜るとされています。
泳ぐ速さはそれほど速くはありません。ちなみに速く泳ぐ時、お腹は下向きになります。
Q18かなりの「グルメ」と聞いたけれど、1日に何をどれくらい食べる?
ラッコは皮下脂肪が少なく、体温維持のために多量の食事が必要です。メイとキラは、1日に3000〜3600gの餌を複数回に分けて食べます。
メニューはタラ、カジキ、ホタテ、ウチムラサキガイ、スルメイカ、エビなどです。
FUTURE & CONSERVATION
ラッコの未来と私たち
日本の水族館でラッコが減っている理由、ペットとして飼えるか、赤ちゃんの育ち方、野生の危機、キーストーン種、支援方法などをまとめています。
Q19なぜ日本の水族館からラッコが減っているの?
1994年のピーク時には、オス45頭、メス77頭と、国内の施設で122頭ものラッコが飼育されていました。
しかし、海外からの輸入が途絶え、国内生まれのラッコも世代を重ねることで繁殖が難しくなり、少しずつ日本の水族館からラッコが減っていきました。
Q20ラッコはペットとして飼うことはできる?
ペットとして飼育するのは不可能です。野生のラッコはワシントン条約による規制に加え、アメリカの「海洋哺乳類保護法」によって捕獲・輸出が厳しく制限されています。1日当たり体重の20~25%も食べる食費を払い、24時間体制の水温・水質管理、広大なプール施設を維持する能力が求められるなど、専門的な機関での飼育が適切です。
Q21赤ちゃんラッコはどうやって育つの?お母さんの育児は?
赤ちゃんの基本ポジションはお母さんのお腹の上で、ここでミルクを飲み、献身的なグルーミングをしてもらいながら過ごします。
万が一海に落ちたとしても、赤ちゃん特有の「バースコート」というふかふかの毛に守られて、ぷかぷかとよく浮きます。
Q22野生のラッコを脅かしている「天敵」や「危機」とは?
サメやシャチなど大型の肉食動物が天敵だとされています。最近では鳥インフルエンザに罹患して命を落とす野生のラッコもいます。
これは感染して弱った海鳥を食べる(濃厚接触する)ことに因るものだと考えられています。
Q23ラッコが海から消えてしまうと、地球はどうなる?
ラッコは生息地の「キーストーン種(生態系のバランスを保つ核心となる種)」として、環境維持に重要な役割を果たしているとされています。
ラッコが減ると天敵のいなくなったウニが増えて海藻を食べ尽くし、結果として二酸化炭素を吸収する藻場が失われる可能性があり、地球温暖化への影響も懸念されています。
Q24絶滅の危機から守るために、私たちが今できる支援はある?
私たちができる支援には、保全団体などへの資金寄付、生息地周辺における海洋ゴミの削減、そして野生個体と適切な距離を保つこと(観察時の妨害防止)などがあります。
日頃のゴミ拾いやエコツーリズムのルール遵守は身近な行動ではありますが、誰もが取り組める大切な支援活動の第一歩です。