三重県尾鷲市三木崎沖で採取されたカニが、三重県では初記録のヒメマルモガニであることがわかり、2月18日より展示することになりました。 ヒメマルモガニが全国の水族館で生体展示された例はなく、日本初の展示となります。
これは2013年1月25日に三重県尾鷲市三木崎沖、水深300~600mで深海底引き網漁にて採取されたメス1個体(甲長13mm 、甲幅10mm)で、漁師さんより生きもの専門の取引業者へ持ち込まれた後、鳥羽水族館へ「珍しいカニが採れた」と連絡があり引き取ったものです。当館の飼育係・学芸員が詳しく調べた結果、三重県では初記録となるヒメマルモガニと確認されました。
日本ではこれまでに高知県土佐湾と和歌山県潮岬沖、水深120~200mでの採集記録がありますが三重県内では記録がなく、また、今までに全国の水族館で生体展示された記録も見当たらないことから、日本初展示になります。飼育係は「深い場所に生息する小さなカニで生息密度も低いと考えられることから、なかなか採取されることがなかったのではないか。」と話しています。
【ヒメマルモガニ】 Griffinia gilloloensis (Rathbun, 1916) 甲殻亜門 十脚目 短尾下目 モガニ科に属する甲長10mm、甲幅10mmほどの小型のカニ。 深海の砂泥地に生息し、ハサミを除く全身がビロード状の毛に覆われ、甲羅は凹凸が少なく滑らかなのが特徴です。 生息域や生態など詳しくわかっていない部分の多い生きものですが、過去にフィリピンでの採取記録が残っています。 |
ヒメマルモガニは館内Iコーナー(極地の海ゾーン)にて展示しています。